コロナと五輪という「パン(デミック)とサーカス」による狂騒の夏が終わり、秋らしい秋もないまま、肌寒い朝を迎えるようになってきた。
五輪と並行して一日当たりの新規感染者は拡大の一途を辿り、ついには5000人を超え、数百人で騒いでた頃が懐かしくさえ思えた8月。「自宅療養」というなの棄民政策を強いられ、救急車を呼んでも数時間待ち、来たとしても入院先がないという医療崩壊が起きている中、まさかの緊急事態宣言下において五輪は最後まで強行された。五輪関係者から持ち込まれた隠蔽されていたラムダ株、そして国内での新たなデルタ株も確認されたが、それも五輪と共に忘れ去られている。
デルタ株は子供も感染しやすい、今は夏休みだからいいが新学期が始まったらどうなるのか。子供からの家庭内感染が心配され、9月に恐れおののいていたのが嘘のように、原因も解らぬまま休息に感染者は減っていった。そしてついに都内の新規感染者は一桁まで減った。ワクチン2回接種者も76%を超え、3度目のワクチン接種も動き始めた。
しかし第6波は5波を越えるという予測もあった。10月頃には、2月中旬には都内で一日1万人ペースになるという報道も見たが(確認したら削除されていた)、11月19日の報道では、370人程度という予測も出ている。実際、アメリカではコロナによる死者数が昨年を超え、ドイツや韓国でも過去最悪の感染者数を出しており、奇妙なエアポケットに入り混んでしまったようなのが今の日本だ。よく言えば、自粛を堪えてきた人々へのつかの間の休息期間なのだろうか、それとも油断をさせて一気に感染拡大を狙う奸佞な罠なのだろうか。
日本では、初期にワクチンを接種した人達の効果が切れ始めた頃が、第6波の嚆矢となるのか。医療従事者には、三度目の接種を早々にして欲しいが、昨年のような大晦日に一年で最悪の新規感染者数を記録することはさすがになさそうだ。
まだ積極的に外出しようとは思えないものの、正直、「気の緩み」はある。外食もするようになった。マスクや消毒、手洗いは当然ながら続けているが、ようやく暗い窖から顔を出して、「春」が来たのか、いささか戸惑いながら右顧左眄をしているような状態だ。
「コロナ騒動はなんだったんだろう」と少し肩の荷が下りたような気持ちもなくはない。とはいえ、まだ大人数で飲む気にはならないし、ライブでも歓声を上げることはできない。(単純に移動時間がもったいないのもあるが)積極的に会いたい人でもなければ、オンラインミーティングで済ませたい。
とりあえず今年は無事乗り切れそうだという安堵感と、飲み薬も開発されつつあるとは言え、やはり先の見えない来年以降のコロナ情勢に、砂漠で得体の知れない濁った水を飲まされるような気分だ。
雲が晴れることはないだろうが、せいぜい一日一日を大切に生きるしかない。
【参考】
米コロナ死者、昨年超え ワクチン未接種懸念―大統領顧問(2021年11月22日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021112200153&g=int
ドイツの新型コロナ感染拡大、「これまでで最悪」(2021年11月22日)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-11-22/R2Z2QTDWX2PS01
新たなデルタ株を初確認 アルファ株の類似変異も―東京医科歯科大(2021年8月30日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021083000595&g=soc
韓国「過去最悪」の感染拡大 3日連続で3000人超(2021年11月19日)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000235670.html
最恐ウイルス「ラムダ株」上陸を五輪のために隠蔽した菅政権 「ワクチン効きにくい」と専門家(1)(2021年8月16日)
https://www.j-cast.com/kaisha/2021/08/16418341.html?p=all
第6波2月中旬頃には一日1万人ペースという予測(削除済)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000231743.html
AIが第6波予測、東京ピークで370人? 専門家は警戒呼びかけ(2021年11月19日)
https://mainichi.jp/articles/20211119/k00/00m/040/110000c