お客さんは「敵」か、あるいは接客業としてのWeb屋

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3週間ほど前に#ヤバいクライアントを見抜くチェックリスト というのが話題になりまして、どーにも違和感を覚えていました。
最初の方はいいんですが、単純なコミュニケーション不足や、グチを通り越して中傷めいたものも増えてきて、「それって違うんじゃねーの?(´・ω・`)」という気持ちになってきたのです。

そんなのもありつつ、許せない!妊婦を追い出す最低のお店|ひよっこママの奮闘日記がすごいことなってまして、Twitterでも大炎上しています。

魚拓を見る限り、店側の暴言ブログは事実ですが、ブコメを見ると
・妊婦側のブログの投稿順がおかしい(今回の記事が一番古い)
・一番最初にTwitterで記事に言及しているアカウントが捨てアカくさい。
などと、妊婦側のブログの真偽を問う指摘もありますが、そういった点は保留して、「ヤバいクライアント~」と合わせて、「顧客に対してのグチや中傷を、ブログやTwitter等で公表する」ことについての話を展開していきます。

あと予防線として。
ぶっちゃけ僕もこのブログでお客さんや代理店をDISってることはあるので、「お前が言うな」と言うのはありますが、議論と言うのはひとまず自分を棚にあげないとできない面もありますので(「罪なき者まづ石を擲て」なんて言ってたら、何も話せませんいやマジで)、必殺「自戒をこめて」でお送りします(ああなんて便利な言葉だ)。

「グチ」と「相談」

さて、だいぶ前置きが長かったのですが、本題です。
web業界はオーダーメイドな世界です。お客さんの要望をヒアリングして、webという「形」としてはないモノを作り上げていく。バンバン仕様変更するけど、納期も予算も変わらないお客さんや、Webの知識がない代理店の放言で連日の徹夜を強いられている方も少なくはないでしょう。
そういった中で、実名・匿名問わず、TwitterやFacebook、ブログなどで、グチを書いてしまうのは、非常にわかります。てか僕もようグチります。

ガス抜きとして、グチるのも大事だと思います。
ストレスばっかりためてたら、そりゃ誰だってしんどいっすもん。

僕はツイッターとFacebookを使い分けてまして、Facebookは非公開でやってます。
というのも、Facebookの方がわりと生々しいこと書いてるからです。それこそお客さんや取引先のグチや、トラブル相談とか。

でもそういったグチにも効能というのもあって、真面目な議論として対策などをご教示頂ける時があり、非常に勉強になることもあります。
グチとしてではなく、「こんなことあってんけど、どーすればええねんやろな(‘・ω・`)」と「悩み」として、場所に応じて打ち明けられるようになるのが一番いいかと思います。それだと「グチってストレス発散」てだけじゃなくて、相談に乗ってくれる人が出てきやすいし、前向きな議論ができるのではないでしょうか。

お客様は神様ですか?クリエイター様は神様ですか?

また、ちょーど昨日TLで「お客様は何様ですか?」というマンガが流れてきて、興味深く見ました(元ネタはこちら)。
筋自体はどっかできーたよーな話で、それをマンガ化したものなのでしょう。
気持ちはもちろんわかるのですが、「お客様は何様ですか?」って、いや、じゃあ僕ら作る側は何様なんでしょう?

クリエイター様ですか、そいつぁご大層なこって

忘れちゃいけないのが、クリエイター大先生である前に、お客さんとやりとりする以上は、僕らは接客業です
某宅配業者が荷物を投げたり踏んだり蹴ったりしてるとかいう噂をたまに聞きますが、荷物に支障がなかったとしても、見てないとこでもそういうことされたら、当然ヤですよね。
さらに、代理店でも直のお客さんでも、「できない」から、僕らに発注してるわけです。
できないからお金払って発注してる相手に対して「そんなことも知らないんですか?」と言うのは大変失礼じゃないでしょうかと書きつつ「それは『インターネット』じゃなくてインターネットエクスプローラーですね」とかワンマン社長が「俺のパソコンでちゃんと見られるようにしてくれ!」っていまっさらIE6はないだろとかあれこれ思い浮かぶのですが(´;ω;`)、うん、接客業なんです。
バカにするんじゃなくて、提案しましょう。
そして提案が通らないなら諦めましょう。

まったく素人のお客さんはともかく、たしかに代理店なんかだと、「曲がりなりにもWeb業界の片隅にいるんなら、それくらい。。。(#^ω^)」となりますが、「僕、アルバイトォォォォォ!!」なみに「僕、接客業ー!!!」と、泣き叫んで(※ただし心の中で)、イライラを追い出しましょう。
そして何度言ってもわかってくれない方には、幼稚園児に接するように丁寧に教えてあげましょう。。。たとえ相手が高圧的でも!!!(´;ω;`)
そーゆーもんだって諦めちゃえばいんすよ。バカの相手してストレスためるの悔しいじゃないですか!「この人はダメな人なんだ、かわいそーなんだ」って上から目線で憐れむくらいの方が精神衛生上大変よいです。
ただ、憐れんでても、それを悟られないように接するのが大事です。そこはほら、大人ですし。

何より、僕らの方がお客さんより知識あるんですよね。じゃあ、どーしてそうした方がいいのか説明&提案しないと。
絶対そうした方がいいんですよね?じゃあ、納得してもらえるように 説明&提案しないと。
それで納得していただけないなら、僕らのコミュニケーション能力が不足してるか、相手が悪かったと諦めましょう。

「ちょっとした」ことでも、それなりに時間や予算が必要なことを理解していただけなかったり、性格的にこの人あかんわーって人とぶち当たってしまうこともあるでしょう。
でも、心で泣いても顔は笑って接客したいもんです。
お客さんは敵ではないのです。

逆の立場で考えましょう。オーダーメイドのスーツ作る時でも、車のディーラー行ってカスタマイズするときでも、家買うときでもなんでもいいです。
素人だからってバカにされるような接客を受けたいですか?
まさか。

自営業だと特に「客は選ぶ」ことができなくはないため、やもすれば高圧的になってしまう場合があるかもしれません。でも、お客さんを選んでも、敵は作る必要はありません。

たとえばあんまりにも失礼なお客さんに対して、ブチ切れて電話をガチャ切りする際に、「そんなはした金で作れるわけないじゃないですか。もっとWebのこと勉強してからきてください」と捨て台詞を吐いてしまったとしましょう。
しかも口で言っただけでなく、それをTwitterやFacebook、ブログでグチったのが、何かの拍子でお客さんにバレたら。。。
そのお客さん(候補だった人)だけならまだしも、このソーシャル時代、どんな形で炎上するかわかりません。
失礼なお客さん一人の背後には炎上を楽しむ人らや、憂さ晴らしをしたくてイライラしている人らが渦巻いています。

接客という客-社員という関係性以前に、ふつーに人として相手に失礼のないようにお引き取りいただく技術があると、余計なリスクを抱えなくて良いです。

妊婦追い出し事件の真偽はさておき、他山の石として、グチの吐き方に注意していきたいものです。

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