フリーランスのweb屋な人が、見積や注文書、請求書を発行する際のポイント。

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フリーランスのweb屋な人が、仕事をする時の書類の流れとポイントをまとめてみました。
ざっくり言うと、

見積書発行→注文書発行→お客さんが注文書返送→納品→請求書&納品書発行

という流れです。
「ここまで書いちゃう?」的にけっこう書いてるので、「そんなんわかってるよー」て方も、確認の意味も含めてご一読あれ。

ちなみにうちは以前は「見積兼注文書」として発行していましたが、今はMisocaの見積書を使って、共有URLから「発注する」ボタンを押して貰って、発注としています。
また、後述しますが、納品書まで出すことはあまりありません。

書類の送付方法について

まず基本的な、でも間違えると面倒な部分から。
各書類の送付方法は、
・PDF
・原本郵送
・FAX
どれが可能なのか確認しましょう。最近だとPDFで問題ない企業が増えていますが、まれに原本を求められることがあります。見積書はPDFでいいけど、請求書は原本のみなど、書類によって異なる場合があるので、必ず確認してください。

また、請求書を送る場合は、現実的に郵送のみ可能です。
請求書は信書なので、クロネコヤマトの宅急便やメール便で送るのは法律的にNGです。ヤマトが怒られます(ました)。佐川や日本通運にも信書便てのがありますが、非常に高額です。レターパックでなら、送付可能です。
レターパック 信書も荷物も大丈夫! – 日本郵便
宅急便やメール便で信書送っちゃダメとか意味わかんないから、みんなの力で法律を改正しましょう。

参考:
・信書に関する重要なお知らせ | ヤマト運輸
・「宅配便で信書ダメ」にヤマトが苦慮 そもそも郵便法がおかしいのでは : J-CASTニュース
・飛脚特定信書便│サービス一覧│佐川急便株式会社<SGホールディングスグループ>
・特定信書便輸送 < 国内航空輸送 < 国内輸送 : 日本通運無理だと思いこんでいました。

支払いサイト(締日・支払日)の確認

一般的な買い物であれば、購入時に決済を行います。現金なり電子マネー、クレジットカードでその場で支払って、商品と「交換」します。が、フリーランスや企業間の取引では、納品後、「納品月末締め・翌月払い」という形が多くなります。たとえば1月に納品したら、2月末に支払となります。「納品月締め・翌々月末払い」の場合もあるので、必ず確認しましょう。
翌々末払いだとちょっとシンドイのですが、逆に「二ヶ月後の収入のメドが立った!」と考えると、あら不思議、安定感が醸し出されます。

また、普段は翌末払いの会社でも、孫請け案件だとエンドクライアントの支払いサイトに左右される場合があって、
翌々末払いになったりする場合もあるので、ご注意を。
また、有り難いことに末締め翌10日払いの会社さんや、末とか関係なく、さくっとお支払い頂ける会社さんもあります。

価格・支払い時期の交渉

お金がないのに翌々末払いの場合、「5%オフするから、翌末払いにしてもらえません・・・?」という交渉はアリです。
逆に先方から、値引き交渉がきたらチャンスです。
タダで負ける必要はありません。
こちらにもメリットがあるように、支払のタイミングだったり、格安案件の場合は、「んじゃ修正は1回までで」とか、ちゃんと交渉しましょう。僕もたまに交渉します。わりと効きます。

交渉は恥ずかしいことじゃないので、やったモン勝ちだと思います。
モノはいいようで、「着手金として契約時に50%頂けるなら、5%サービスしますよ」と、「(お金が一秒でも速く欲しいんじゃなくて)サービスとしてやってます」感を出せばあら不思議、お客さんも選択の幅が広がっていいし、こちらも恥ずかしくありません!

NDAとか諸契約

秘密保持契約書(いわゆるNDA)を結んだり、事業者登録(住所とかの登録)や、支払条件などの契約をきっちり結ぶ場合もあります。
この辺はふつーに内容読んで、必要なら割り印、捺印、署名しておけばOKです。
きっちりしてる所だと、4000円の収入印紙を貼る場合があります。
郵便局で印鑑捺してもらいましょう。

追記:
ここ、表記が曖昧かつ不正確でした。
NDAやただの事業者登録では収入印紙は必要ないです。
調べたら、課税文書の
「第2号  請負契約書(工事請負、広告、会計監査、プロ野球選手や映画俳優などの専属契約書等)」
に該当するので、請負契約をする場合は、収入印紙が必要になります。

見積書

要望をヒアリングして仕様をまとめたら、うちの場合、まずメールで見積を出します。
んで、価格交渉とかが無ければ、正式に見積書を発行しています。

また、うちでは見積書の段階で、簡単に作業内容を明記します。
10ページなら、ページのタイトルを記載したり、ちょっとした修正なら、「グローバルナビゲーションの修正」と書いたり、修正資料が来ていれば、「×月×日の○○○○.pdfの内容に基づく修正」とか、要は作業範囲を明確にしています。
修正案件なんかだと、面倒なので「修正一式」でまとめたくなりますが、どこからどこまでで見積もっているのかを明記しておくことで、お互いが何にお金がかかっているのかを明確にしておいた方がいいです。

また、「※作業内容が変更になった場合は、別途御見積」と記載しておいた方がいいです。
修正の時なんかは、後から「あれも、これも」と追加で言ってくる方は結構います
「うちはお代わり自由じゃないんですが。。。(意訳)」 と堂々と言って「・・・そらそうっすよねアハハー(意訳)」と気持ちよくご納得頂くためにも、上記の一言は、記載しておくとよいでしょう。

制作データ(psdやpng、アウトライン前のaiなどの元データ)についても、いくらで提供するのか、それとも制作代に入れるのかを確認しておくと、あとあとトラブルがありません。元データは立派なメシの種ですからね。タダで渡す必要はありません。
ぶっちゃけ、制作データをタダで欲しがってる所は、見積をちょっと多めにするのもアリでしょう。

着手金・前金、キャンセル時の返金など

金額が多い(40オーバー)&3ヶ月くらいの制作になりそうな場合は、前金の交渉をすることが多いです。
だって納品翌末払いなら、制作に3ヶ月かかれば、お金になるの4ヶ月後になります。半分とか1/3でも頂いておきたい所です。

前金を頂く場合は特にそうですが、前金などがない場合でのお客様都合によるキャンセルでも、「その時点で制作していた分については請求します」などと、返金・請求について明記しておいたほうがよいです。
この辺は制作前にちゃんとした契約書を結んでいれば、当然記載しておくべきことですが、うちはそこまでカッチリした契約をすることはあまりないので、案件によっては御見積兼注文書の備考欄に、記載しています。

注文書

うちは見積兼注文書としてるので、それをご署名・ご捺印の上、そのまま返送して頂いています。PDFでOKです。
企業によっては、こちらが提出した見積と別に、先方から注文書を送ってくる場合もあります。

担当者と別に決裁者がいる場合などは、ハンコ貰うのが遅くなって、正式に注文を請ける前に、制作がスタートすることもあります。
個人的にはわりと居心地が悪いのですが、この辺はしょーがないので、割り切りましょう。
ただし、制作を始めたのに1週間以上返信がなかったら、催促しましょう。
連絡がうまくいってなくて、単純に忘れてるだけって場合もあります。。。

請求書の発行

無事、制作が終わりました!お疲れ様です!!!
さあ、嬉しい最後の一仕事、請求書の発行ですが、必ず支払期限を記載しておきましょう
ぶっちゃけこっちが、いつ入ってくるか忘れますw
また「支払日が書いてないんだから、いつ払ってもいいだろ」みたいな
めんどーな言い訳をさせないためにも、記載しておいた方が無難です。

フリーランスの源泉所得税について

個人相手だとうちは引いてません。
法人の場合は、基本的に源泉所得税分1割を引いた金額を請求しています。
100万円以上の取引の場合は源泉が20%になるので、
80万円の請求となります(消費税は考えず)。後述。
そんな案件今まで一度もありませんけどね。。。
追記:
請求書は源泉引かずに請求するんじゃね?とちらほら見かけましたが、満額請求してたら、後から「源泉分引いてなかったので、次の支払で差し引くわ」となったことがあります。
経理担当の方もいるわりと古い会社だったんですが。。。
書類上記載するかどうかは、どっちでもいいようですが、個人的には差し引いた金額を明記しておいた方が、何かの時に余分な手間がでずに無難かと思います。
源泉徴収が必要な個人事業者からの請求書 – 【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談
さらに追記:
100万円以上の場合は、「ただし、同一人に対し1回に支払 われる金額が100万円を超える場合には、その超える部分については、20%」なので、150万なら、
(150万-100万)×0.2:越えた分+100万×0.1:越えない分=20万が、
源泉として引かれる形になります。
経験ないんで、間違ってました。すみません。ご指摘ありがとうございます。
第5 報酬・料金等の源泉徴収事務|平成18年6月 源泉徴収のあらまし|国税庁

フリーランスは消費税をとっていいのか

消費税は当然頂いてます。
「個人事業だからいらないよね?」と一度だけ言われたことがありますが、そんな事はありません。税理士にも確認しましたが、堂々と頂いてください。
半年で1000万以上売上があると、消費税を納税しなきゃいけないけど、越えてなければスルーしてOKです。
まあ1000万超えたら税金的に法人化を考えた方がいいです。
参考:
・No.6503 基準期間がない法人の納税義務の特例|消費税|国税庁
追記:
消費税については、デザイナがとるの?というのをみかけましたが、とります。むしろ消費税とらない仕事があるなら教えてください。ぱっと思い浮かぶのは家賃くらいです。そうそうないと思いますが、とってないのに、いきなり売上1000万超えたら消費税分あとから請求するの!? ってことです。

納品書・領収書の発行

個人的にはあまり発行してませんが、まれに請求書と一緒に発行が必要な場合もあるので、制作前に確認しておきましょう。
何を記載すべきかも確認しておいた方がいいです。
こちらの屋号、住所、電話番号、などはもちろんのこと、案件名、内訳、合計金額、納品日あたりでしょうか。
「納品場所」というweb屋からしたら謎の項目を記載する場合もありますが、お客さんの会社名だったりします。
が、当然納品データを焼いたCDを手渡しするわけじゃありませんw
念のため、何と記載すべきかお客さんに確認しましょう。

最後に

箇条書きにまとめると、

●書類の送付方法
・原本、PDF、FAX。請求書のみ原本郵送の場合もある。
●支払いサイトの確認
●NDA・業務委託契約書など。
・収入印紙が必要な場合も。郵便局で捺してもらう。
●見積書
・作業内容を記載。「内容変更・追加時は別途見積」と記載。
・制作データを渡す場合の価格も説明しておく
●着手金・返金・キャンセル時の対応を明記しておく。
●請求書には支払期限を明記。
・源泉は10%。100万以上だと20%。
・消費税はとっていい
●納品書が必要な場合は、内容をお客さんに確認

要は「言った言わない」的なことがないように、お互いのために必要なこと、トラブルになりそうなことは事前に説明して、書類に明記しておきましょうねってのがポイントです。

追記:おすすめの本をw

あるあるな事例ばかりで、具体的なのですごいわかりやすいです!必見!


独立前にあれこれ本を読みましたが、当時はこれが一番わかりやすかったです。
残念ながら今は売り切れみたいです><


定番ですが、わかりやすい語り口で、リアルな話が書いてあります。

その他の記事

フリーランスのweb屋な人が、見積や注文書、請求書を発行する際のポイント。」に5件のコメントがあります

  1. 記事とても勉強になりました!ありがとうございます。ブログ内で紹介なさっている「Web業界 受注契約の教科書」、購入することにしました。「Web業界 受注契約の教科書」のレビュー記事もすごく詳しくて、本を読みたくなりました。これからもブログ更新楽しみにしています。

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