web制作においてヒアリングをする理由、あるいは美味しいおそばを食べる話

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昼メシを食べるというなにげなーい日常の行為でも、
僕らはその目的や状況に応じて、無意識に様々な選択をして、
その結果、その課題を解決しています。

たとえば「美味しいおそばを食べたい!」としても、いろんな道筋が考えられます。

家で食べる
│├カップそばを食べる
││└なければ買ってくる
│├インスタントを茹でる
││└なければ買ってくる
│├出前をとる
│└手打ちから始める
外で食べる
├近所の適当な蕎麦屋に行く
├ちょっと遠いけど美味しい蕎麦屋に行く
└旅行として長野とかに行く

「美味しいおそばを食べたい」というたったひとつの何気ない目的でも、
時間や人数、予算を考慮すれば、それを踏まえたいろんな解決方法があります。
(「カップそばが美味しいか」は、とりあえず置いときます(; ・`д・´) b
ちなみに僕はあのジャンクな味がわりと好きです)

休日のお昼に一人で食べるか、会社で同僚と食べるか、友達と食べるかでも違います。
お金に余裕がある場合で、例えば2万の予算があるなら、
旅行に行くのも楽しいでしょう。
ただ交通費やら泊まるなら宿泊代もかかるわけで、
そのうちのそば代を考えるなら、
銀座か赤坂だかの高級料亭で食べた方がいいのかもしれません。
(2万で食えるのか知らんけどね!!!(; ・`д・´) b)

とにかくお腹が空いていて、速く食べたければ、
カップそばが一番手っ取り早い解決方法です(家にあればね)。

でも家で食べるのだって、
買ってあるインスタントそばを作るのと、カップそばを食べるのでは、
同じ「お湯を沸かす」行為でも、やかんを使うか鍋を使うかの違いが出てきます。

また、カップそばが無くてコンビニやスーパーに買いに行くのと、
お蕎麦屋に行くために外出するのは、目的地が違っていても、
「玄関を出る」こと自体は一見同じ行為です。
ただ、店の場所によっては
・徒歩
・自転車
・車
と移動手段が違ってきます。

簡単にまとめると、
人数:一人で
場所:家で
時間:すぐに
予算:なるべく安く
質:何でもいいから
目的:そばが食べたい
解決法:カップそば

人数:友達と
場所:旅行がてら
時間:春休みに
予算:2万くらいまでで
質:おいしい
目的:そばが食べたい
解決法:長野の有名店に行く

と同じ目的でも人数、場所、時間、予算、質でまったく別の行為になります。

web制作での目的意識とヒアリング

これをweb制作に当てはめたら、どうなるでしょう?
人数はターゲットだったり、場所は・・・なんだろうw、まあ適宜変更が必要ですが、
「webサイトを作る」ってのは、少なくとも「目的」ではないですよね。
商品やサービスを知ってもらうために、買ってもらうために、
webサイトっていう「手段」を使うわけで、
さらには作った後の更新や効果測定、それに基づいたリニューアルもあります。

特に外注として仕事を請けるときだと、
その仕事内容だけに囚われてしまって、
右から左に言われた事をやっていると、後で困る事があります。
(いや実際には制作進めているうちに、
「え、これどーすんの?どんな想定なの?」とあれこれ疑問が出てくるんですが)

また後から「え、そんな話きいてない!(; ・`д・´) 」となることが、たまにあります。
たぶんこの「きいてない!」をなくすのが、
ディレクターの仕事であり、コミュニケーション能力なんでしょう。
デザイナーだろうが、コーダーだろうが、このコミュニケーション能力が重要ですが。
参考:Webディレクターを「ディレクション」 しよう | take a job-たけのおしごと-

現時点での目的やターゲット、何のために何をして、どうなりたいか。
それをしていく上でどんなモノやどれくらいの予算や時間が必要で、
どんな施策をして、どんな効果が予想できるのか。
もちろん、お客さんがホントに後から思いついたり、
失念してたりする場合もあるでしょうが
(特に怖いのが上司の思いつき^p^)、
それをどう先回りして漏れがないようにするか。
また、そういった追加があった場合には、時間もお金もかかることを「理解してもらえるか」。

たしかにあれこれ聞くのはちょっと気が引けたり、面倒だったりwします。
が、あれこれ聞いていくうちに方向性や抑えておくべきポイントが見えてきます。
10聞いて10全部を役立てようなんて思わないでいいのです。
1~3と、とんで6と9を抑えておくべきだ!というのがわかれば、充分収穫です。
また、「実は10まで話をしたけど、11とか13とかも必要だろう」
というプラスアルファの提案もしやすくなります。

逆に、ヒアリングに基づいた提案をすることで、
いい意味でお客さんの想像力を刺激して「じゃあこういうのはできる?」と、
「こういう場合はどうなるの?」議論が深まっていき、
より目的や課題が明確になることもあるでしょう。

ヒアリングを通じて、お客さんの目的やその目的を持つに至った背景を理解し、
お客さんには「あなたとその目的のためにやっている」ことを理解してもらう。
お互いが信頼しあう土台作りをして、
的確に目的を達成し、よりよい関係を築くためにも、
いいヒアリングと提案をしたいものです。

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