ネタバレ「シン・エヴァンゲリオン」感想

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観てきました。ネタバレの感想を箇条書きで。

ネタバレなので、目に入らないように、ベタにめっさ開けておきますね。

・テレビ版が1995年。約四半世紀を経て、ようやく完結した。はず。いちおう。が、Qからシンまでのサイドストーリーは観てみたい。序、破が「SFロボットアニメ」というエンタメとして非常に楽しめるものだった故に、Qでいろんな意味で絶望と混乱の底に突き落とされたが、シンエヴァで、見事に救済して解放してくれた。これでよかったんだよ、すべてよし。虚脱感が凄い。呪縛が解けた感。声優さんが誰も亡くならずに終劇できたのはよかった。冬月役の清川元夢が1935年生まれ、85歳。

・これでもかと新型エヴァが出てきたけど、目が追いつかず、フォルムをいまいち堪能できなかったのは残念。

・途中、アスカのパンツ描写が増えるんだけど、あれはもう少しどーにかならんかったのかと。ワンダースワンのグンペイ(1999年発売のゲーム)を執拗にやってるが、「破」でもやってたのね。全然覚えてなかった。ラストのシーンで、プラグスーツが破れたアスカが、エヴァの呪縛から逃れて成長した姿だという説を見て、そういう意味では裸体の描写が多いのも、その伏線だったのかと納得いかないですけどね、別に。

・Qでは出てこなかった諸々のキャラが復活したのは嬉しかった。

・第3村の描写は庵野監督の子供時代の再現だろうか。Qでも「防護服・マスクなしに外に出られない」ある意味予言めいた世界が描かれており、また『天気の子』も変わってしまった世界の日常が終盤描かれた。いさかか不穏なものを感じる。
 コロナがどうにも収まらず、航空会社がダメになって、海外との物流も死ぬと、ああいう自給自足の日常がいやさすがにそれはないか。ただ、電気がなくなるとあんな感じにはならざるを得ないよね。俺、仕事どうしよう。何でも屋やろう。でもペーパードライバーだから、運転できるようにならないと。。。

・ミサトさんとの和解が一番グッときた。泣いたね。やはりミサトさんはシンジ君の「母」であり味方であって欲しい。構図的に母(ミサト)と父(ゲンドウ)の対決にもなっているのが良い。

・加持リョウジ(息子)、まさか加持さん(父親)と同じ名前だとは思わず、親の名前が思い出せずに「カジ。。。ヒデキは違う」と頭の中でひたすらリピートしていた。

・実写ともCGともつかないまつげまでリアルな巨大レイ(顔面)は、正直失笑を禁じ得なかった。浮いてる。。。(劇中で物理的にではなく、絵として画面から)。

・ゲンドウの音楽好きはともかく、ピアノ好き設定が唐突だった。が、Qでシンジくんの驚異的なピアノの上達は「シンジ君、ピアノ上手すぎ」とネタにもなったが、「それだけの時間が過ぎた」という演出的な意味だけでなく、実はピアノ好きだったゲンドウの血を強く引いてるという伏線めいたものだったのか。

・ゲンドウの長台詞は、あまりに痛々しい。「ガキシンジ」じゃなくて、「ガキゲンドウ」じゃん。が、中年の悲哀を語るアニメもないのも事実で、中年のアニメファンも増えたので、そういうヒット作が出来てもよさそうなもんだけど(俺が知らないだけで、あるのかもしれんけど)、そんなリアルなものをアニメとして観たい人は少ないか。ただ、いくつになろうと、ああいう幼い頃の鬱屈みたいのは、呪縛として残ってしまうよなぁというのはなくもない。が、ゲンドウはあまりに不器用で孤独すぎた。ユイに救われたようで、逆にユイに人生を狂わせられたのかもしれない。そういう意味では、ユイがすべての元凶。

・「Neon Genesis」を回収してくるとは思ってもいなかった。あとまさかのS-DATの使い方。

・最後、一人独りとシンジ君が対話していくのが、「憑き物落とし」だわな。テレビ版含めた場面やロゴ、演出手法の再利用も、ファンへの憑き物落とし。見事に落とされた。最後の方の演出は、セルフオマージュめいた感もある。ああ、本当に終わるんだな、と痛感した。その一方、後半のシンジ君は、いまいち脚本に都合がいいように動かされてるように見えた。心変わりがわかる明確なセリフが欲しかったかも。

・「Beautiful World」が流れたのは、新劇場版の円環を閉じる意味で大変よかった。

・旧劇も含めて、新劇最初から見直したい。旧劇の方がカタルシスも不条理感も絶望感も投げっぱなし感も果てしなく強かったが、新劇は救いで終わってよかった。現実がSFめいてるコロナ禍で、正直、救いのないカタストロフィはキツいかも。

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