フリーランスも芸能人も会社員も、鉄アレイで殴り続けると死ぬ。


昨年の電通の過労死事件から、今まで以上にサービス残業やパワハラなどが注目を浴びてきており、安倍内閣も「働き方改革」を進めています。そんな中、女優の清水富美加が「幸福の科学に出家する」というニュースが飛び込んできました。
なんだこの毒をもって毒を制する感じは。

彼女のことはNHKの朝ドラ「まれ」で知ったんだけど、その後も活躍してて、夏に公開予定の映画『東京喰種トーキョーグール』に出るために髪を切ったとかなんだとかいう芸能ニュースも見ていたので、「こりゃー事務所、大損害だわ」と、驚いていた所、幸福の科学側からの説明が12日にあり、

睡眠時間3時間で1カ月31日働いても、月給制、ボーナスは支給されなかった
幸福の科学、清水富美加は「心身に傷」会見全文 – 芸能 : 日刊スポーツ

そうで。
昔からブレイクした芸能人が「移動中のロケバスで寝るくらいしか睡眠時間がとれなかった」という苦労話は聞いてましたし、たまたま最近X JAPANのYOSHIKIがスケジュール表を公開してたので見た所。。。

午前中は移動でゆっくり?してるものの、12:00にスタジオに着いてから途中時間調整で30分空きがあるけど、ぎっっっっしり予定が入っていて、最後が「25:00 レコーディングスタート」。これ、何時までやんの?てかメシの時間は?移動中?
いっやー。きっつー。っていうかこんな連続でインタビューしてて、どーするんだろね。同じ事話すのも辛いだろし。そういえば沢尻エリカが「別に。。。」とキレたのも、忙しすぎだわ映画のキャンペーンで同じ事ばっか聴かれるわで、そりゃキレるわみたいな話があった覚えが。芸能人にしろミュージシャンにしろ大変だなぁと同情はするけど、とりあえずX JAPANは一刻も早くアルバム出してください。

売れない芸能人は月給5万で我慢すべきか

閑話休題。

んで、ワイドショーで坂上忍やラサール石井が

ゲスト出演したラサール石井も「大手のプロダクションでも月給5万円ぐらい」と若手の懐事情を明かすと、坂上も「僕らの時もそうだった」とうなずいた。
坂上忍 清水富美加の月給5万円は正当 「僕らの時もそうだった」 (デイリースポーツ) – Yahoo!ニュース

と発言した記事がYahoo!ニュースで配信されると、はてブ的に炎上。

自分がフリーランスだから余計言うが、フリー・芸能人・アニメーターなどの偽装下請問わず、最低時給下回るのと、労働時間の過労死ライン超えは人として絶対NGと社会に認知して欲しい。俺らは奴隷じゃない。
take-it のコメント / はてなブックマーク

とコメントしたら、めっちゃスター頂きました。

というのを踏まえて、こっからが本題。

労働基準法は労働者を守るためにあるが、誰だって働き過ぎれば過労死はする(可能性がある)。

サービス残業や過労死といった労働基準法違反が問題になるのは「労働者=会社員」だけど、芸能人はいわゆる「会社員」ではないので、労働基準法の適応範囲外と思われます。裁判すれば、事務所との契約内容によっては労働者扱いになるのかもしれないけど、判例やら法的な問題はとりあえず置いときます。
労働基準法は労働者を保護する目的で作られたわけです。たとえば過労死でいえば、労働災害認定で労働と過労死との因果関係判定に用いられる「過労死ライン」は

発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働(1日8時間勤務で1か月の労働日を20日とすると。1日4時間の時間外労働をして、1日12時間勤務が続く状態。又は労働日の20日各2時間の時間外労働と、1日10時間勤務で4日の法定外休日出勤という1日10時間勤務が続く状態)が認められる場合。
過労死ライン – Wikipedia

だそうです。
でもこれ、労働者=会社員じゃなくても、「人間だと死にかねない」っつーことですよね。
まれに自殺はあるものの、芸能人のいわゆる「過労死」って聴いた覚えないし、自分で好きでやってる仕事と、やらされてる仕事、決裁権がない仕事では、精神的な疲労具合も違ってくるでしょう。だから起業したての社長はそれこそ不眠不休で頑張れるわけだし。僕は無理だけど。YOSHIKIさんもお願いだから過労死しないでください、いやマジで。

ネットスラング?で、「田原俊彦を鉄アレイで殴り続ける」という古いネタがありますが、芸能人はもちろん、フリーランスも鉄アレイで殴り続けると死にます。会社員も鉄アレイで殴り続けると死にます。
海や山はどうか知りませんが、鉄アレイで殴り続けると、人は死ぬんです。鉄アレイで殴らなくても、働き過ぎると死ぬ場合があります。死ななくても、病みます。

 

清水富美加の2011年当時の時給を計算してみる

清水富美加も売れない時代、月給5万でも家・飯付き、交通費も出てるだなんだみたいな話あるので、実質いくらもらってた状態なのか微妙ではあります。ただ、当初引用したように「睡眠時間3時間で1カ月31日働いて」ってのは過労死ライン超えてるし、まず最低時給も切ってるでしょう。

仮に、24時間-3時間睡眠-1時間(家でメシ食ったり風呂入ったりの時間)=20時間働いてるとして、仮面ライダーフォーゼに出てた2011年9月以降だと、ちょうど東京都の最低賃金が10月から時給837円に引き上げられてるので、20時間×31日×837円=518,940円! 額面としては1割しかもらえてない計算です。まあいくらもらえようが、休み無く3時間睡眠とか、僕は無理です。余談ですが、2016年10月には最低賃金が932円に引き上げられてます。5年で100円近くあがるとは。

ともあれ、芸能人だろうがフリーランスだろうが、最低時給を下回る働かせ方や、過労死ラインを超える働かせ方を他人にさせていいのかと、非常に非常に疑問に思います。

アニメーターの時給はもっと酷い

ちと話は変わって、芸能人じゃなくても、フリーランスの多いアニメ業界も、散々ブラックだなんだと言われてます。

動画マンの実態 

平均年齢(24.4歳)

平均仕事経験年齢(2.7年)

アニメ制作者の中では一番の若手です。

そして、平均年収(111.3万円)となっています。

就業形態が自営業、フリーランスを合わせて(55%)正社員、契約社員を合わせたものが(32%)となっています。無回答(13%)

アニメーターとお金の話 ゆるりと製作所

「一ヶ月平均作業時間 動画(251時間)」とありますから、251時間×12ヶ月=3012時間/年、111.3万÷3012時間=約375円が時給。。。「実際1~2年目の動画マンは年収70万程度が普通です」とあるので、もはや計算したくないレベル。自営業やフリーランスを使えば最低時給もガン無視できるなんて、アニメ業界は最高っすね!!!

エンターテイメント業界などのいわゆる憧れの業界は、いくらでもやりたい人がいるから、安く人を使えると言いますが、働いてる人が時給換算で最低賃金下回る業界っつうのは、どんどん是正していかないと、結局業界自体が崩壊しかねないでしょう。僕は現場の人が無駄に苦労しているものを観て楽しみたくありませんが、どうでしょう。

以前、フリーランスと時給、あるいは単価の決め方という記事でも触れましたが、少なくとも一泡沫フリーランスとしては、自分が過労死するような工数の見積はしないようにしないと、と強く思う次第です。

ぐあっと書いたので、間違い等あればご指摘頂ければ幸いです。