Web業界における自分の「肩書」

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「肩書」についてツイートしたら、思ったよりも反響があったので、せっかくなのでブログに書いてみる。いわゆる課長だ部長だの、何ちゃら協会の理事とかではなく、Web業界ならではの職種的な問題だ。

誰にでもわかりやすいので、便宜上「フリーランスのWebデザイナー」を名乗っているが、困ったことに最近はろくすっぽデザインらしいデザインをしていない。デザインされたものをコーディング、WPに実装する案件が多い。かといってフロンドエンドエンジニアやプログラマを名乗れる程のスキルはない。

Web業界で「フロントエンド」という言葉が流行り始めたのは、Gruntあたりが出て来た頃だっただろうか。それとももう少し前か。記憶が曖昧だが、ともかく、Gruntもglupもろくに触らず、Node.jsとか、webpackに至っては縁がないままに開発終了になっていた。jsはググりつつウンウン唸りながら触る程度で、いまだに何かあればjQuery頼りだし、sassはPreprossで対応している。

WordPressならオリジナルテーマを作れるし、既存サイトのカスタマイズもできるので、「WordPressエンジニア」くらいなら名乗っても良さそうだ。が、フリーランス向けのエージェントサイトを見ても、言語別にカテゴリはあっても、「WordPress」というカテゴリはないし、「WordPress」で検索したとしても案件数は数えるほどだったりする。

しかしいずれにしても「(html)コーダー」にしても「WordPressエンジニア」にしても、業界外の人に言って通じるかというと微妙だ。なかなか厳しいものがある。せめてPHPができれば「プログラマです」といえるのだが、WPで使う最低限のPHPや、既存のPHPの軽いカスタマイズなら頑張れば多少できる時もあるが、スクラッチで書けと言われると困ってしまうし、Laravelなどのフレームワークが使えるわけでもない。5年以上前にPHPの初級試験を二度ほど受けたが落ちたので、プログラマを名乗る勇気もない。以来、PHPはろくすっぽ勉強していない。

新人だって2、3年もあれば、フロントエンドエンジニアなりプログラマなり名乗れそうなものだが、俺は15年以上、フリーランスとして何をやってきたんだろう。思わず遠い目をしてしまう。良くも悪くも「WPができる人」と認知されたので、適当に仕事は入ってきて、それなりに苦労しつつもなんとかやってこれた。ただ、語弊のある言い方かもしれないが、「WPができる人」以上でも以下でもなく、その立ち位置を甘受して、それ以上の自己研鑽を積んでこなかった結果である。

冒頭のツイートに予想以上の「いいね」がついたのは、俺への励ましの意味もあるかもしれないが、同じように「中途半端な自分」に対して不安に思っている人が多いのではないかというのが、このエントリを書いたきっかけでもある。Twitterを見ていると「凄い人」はいくらでもいて、でも自分はこれといった特技がない「何でも屋」。そんなコンプレックスを持っている人も少なからずいると思う。Web/IT業界自体、新しい技術がドンドン出てくるし、(技術的な意味で)キラキラ感があるが、その最先端の「キラキラ」はあくまで上澄みであり、実際の現場はもっと泥臭い。でも泥臭かろうと、それで食えているなら、ひとまずはそれで十分な気もする。もちろん、3年後、5年後はわからないけれど。

「木こりのジレンマ」という話を聞いたことがある人は多いだろう。ざっくり説明すると、刃こぼれしている斧でちんたら木を斬っているが、それを指摘されても「忙しくて刃を研ぐ暇がない」というやつだ。

「何者にもなれなかった」云々という言い回しが好きではない。夢に破れた「何者かであるかを認められない」だけの自分だ。社員、フリーランス、ニート、「中途半端なWeb便利屋」、なんでもいい。残念ながら、それが自分のなれの果てだ。俺も恐る恐る「WordPressエンジニアです」と名乗るくらいしかできないが、WordPressもブロックエディタがかなり進化してきているので、今後、どうしたものかという課題感はある。

WordPressを始めた頃は、「WPを覚えれば2、3年は食える!」と思っていたが、10年以上過ぎた。なんやかんや、WordPress自体は廃れる気配もないし、ChatGPTの登場でプログラマ自体がどうなるかはわからない面もあるが、おそらくまだ5年はなんとかなるだろう。とにかく食いつなぐ方法を探すだけだ。

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