フリーランス向け嫌な仕事の断り方・交渉の仕方

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フリーランス稼業も波に乗ってくると、いい依頼がきても、どうしてもスケジュール的に請けれなかったり、逆にヒマでも「こりゃーないだろー」みたいな紹介を頂いてしまい、断るに断れなかったりする場合があります。
嫌な仕事というとナンですが、まあ「これはちょっと・・・」という条件の案件ですね。

そういった仕事の断り方・交渉方法をまとめてみました。

「スケジュールが詰まっていて、一ヶ月後まで無理」

よくある無難な断り方ですね。
ただこれだと本当に忙しいのか、建て前的に断ってるのか微妙なので、本当に請けたい仕事・相手の場合は、
「次はぜひ一緒にお仕事させてください」などとフォローをしておいた方がいいでしょう。

価格が安すぎる場合

10万でやってる仕事を1万でやってくれとか、お小遣い案件がまれにきますw
相場も調べず、「ホームページなんて誰でも作れるから」というふぁっきゅな考えの方や、「どーしても予算がない!」(知らんがな┐(ヽ´ω`)┌)という場合に、トンデモナイ予算を伝えられることがあります。

そういう場合は、電話ならガチャ切りしたい気持ちを抑えて、まず相手のやりたいことをヒアリングします。
その上で、ざっくりとでいいので、通常の見積を出します。
たとえば、「ホームページを1万円で作って!」と言われたら「1万円だと1ページも作れないですよー」というのもいいですが、それだと相手も相場や価格感がわからないので、いまいちピンと来ません。

ページ数やら内容を聞いた上で、「これくらいの内容だと通常30万かかるので、それを1万円というのはちょっと・・・」と言えば、さすがにどんだけ無茶なことを言っているのかご理解して頂きやすくなりますしやがれください。

それでわからない方には「少しでも安くホームページを作りたい気持ちはわかるんですが、申し訳ないんですが、うちでは無理ですねー」とお引き取り頂きましょう。

納期が短すぎる場合

スケジュール的にムリなら前述のように素直に断りましょう。
余裕がある場合でもせっかくなので特急料金を乗せましょう。
僕は3割増しで対応しています。

あとは単純にお客さんのいう納期が極端に短い場合です。
「プロだから1日でホームページ作れるでしょ^^」的なw
僕は10ページくらいのサイトなら、打ち合わせを除いて
・TOP:6~8時間
・サブページ×9:8時間
・コーディング8時間
・その他修正とか:4時間
のだいたい28時間くらいで見積もっています。
なので、「1日でできるでしょ」と言われても、「だいたい10ページくらいのサイトでも28時間かかるので、1日では無理ですねー」とご説明します。

どちらかというと、これは依頼時じゃなくて、修正とかの作業時に発生しがちかもしれません。
「プロだからこれくらいチャチャっとできるでしょ?^^」というセリフは都市伝説だと思っていたのですが、本当に言われたことがあります(ヽ´ω`) ちょっと感動しましたw

「いやープロだからこそ時間かかるんすわーあははー^^」てとこなんですが、これもやっぱり内容をヒアリングした上で、通常だとこれくらい時間がかかる旨を伝えましょう。

「これくらいなら5分でできるよね^^」
「いあー、これは1時間くらい頂きますね-。あれやってこれやってそれもやらないといけないので、そうすると1時間くらいあっという間なんすわー」
と、なんで時間がかかるかを説明した上で、きっちりこちらの希望通りの時間を頂きましょう。
焦ってやっても、ケアレスミスの元です。

あと困るのが、「1時間でできる範囲でいいから」というもの。
「あんたぁ30分かかる料理を5分の段階で食いたいの?(#^ω^)」と思うわけですが、途中で出せるものじゃないのを説明しましょう。
デザインだってそうですが、コーディングなんか特にそうですよね。プロとして中途半端なものを出すわけにはいきませんし、そもそも表に出せるシロモノじゃありません。
たとえばhtmlしか書いてないのに「え、プロなのにこれだけ?詐欺だ!」と言われても、ねぇ。。。

断れない場合は交渉

どーしても断れない場合ってあると思います。
予算とやりたい内容がマッチしてない。または、納期が短すぎる。
そういう場合は、
・その予算ならここまでできる(ここまでしかできない):ボリュームの圧縮
・その予算なら、完全にこちらのお任せで修正一切なし:工数の圧縮
・その納期なら特急料金が必要(うちは3割増しで頂いてます):価格の上乗せ
・全額前払い
といった交渉をしてみてはどうでしょうか。
安くするなら、安いなりの理由として、その分こちらに有利な条件を相手にも飲んでもらう。
ほら、お互い仕事じゃないっすか!^^

僕は基本的に一方的な割引きがあまり好きじゃありません。
web制作なんてほぼ人件費なわけで、それを負けろというのは、真っ正面から捉えれば、「あなたにはその金額を払う価値がない」と言われてるのと同じではないでしょうか。
とはいえ買う側からすれば、たしかに少しでも負けたい気持ちはわかります。
なのでもちろん多少のサービスはするときもありますが、格安案件の場合は上記のような交渉をします。

また、交渉されたら割り引くのでは、 交渉せずに発注してくださったお客様に対して、不平等なんじゃないでしょうか。逆にいつも負けてたら、その値段設定って何なの?となります。
もちろん商売として、いつもの取引先にはちょっとサービスするってのはアリだと思いますし、 「担当の方の対応がよいので負けちゃおっかなー」てのもアリだと思います。ただ、「定価」で買ってくださるお客様のことは、頭の片隅に置いておきたいです。

どーしても作りたい場合

これだけ説明・交渉しても「予算1万しかないけどホームページ作りたい!お願いだからどーにかしてよー!」とワケのわからない無茶ぶりをされた場合は、無料のブログを勧めたり、みんビズを勧めます。
もちろん、うちのサービスではないので、サポートできない旨はきっちり伝えます。
みんビズはメール対応はもちろん、サポートの電話もあるので、完全にあちらに流すことができます(使ってないからどのてーどやってくれるかは知りませんが)。

「また紹介するから」は当てになるか?

よく格安案件であるのが、「今回は少ないけど、また仕事紹介するから!」ってのですが、あんま期待しない方がいいんじゃないでしょうかw
ありがたいことに次々激安案件をご紹介頂いたこともありますが、よっぽどお金に困っていれば別ですが、そーでもないとこちらも疲弊します。

というのも、営業マンなんかがよくわかりやすいのですが、「あの人はこーゆー案件多いよね」っていう傾向があると思います。
例えば押しが弱い営業マンはお客さんの要望を飲み過ぎちゃって、グダグダになりやすいとか、デザインを不安視するお客さんに対して、伝家の宝刀的に「修正は何度でも受けつけますから」とかいっちゃったり。
それは代理店とか会社単位でもあって、その会社の傾向というのはあります。
「器」以上の案件はとれないというか、類友とでもいうか、似た傾向の案件が来ることが多い=安い案件ばかりとなってしまいます。負の連鎖には巻き込まれたくないので、その辺はうまいこと回避していきたいです。
もちろん、ちゃんといい仕事を回してくれる方もいるので、その辺の見極めは大事です。

「相場観」の共有と、「できない理由」を具体的に話す

フリーランスの魅力のひとつとして、「仕事を断れる」というのがあります。
まあ僕はあんま断ることはないのですが、 冒頭に書いたようにスケジュールの問題もあるし、「適正な依頼」ばかりが来るとは限りません。
単純に「ゴメン無理!さよなら!\(^o^)/」と断るだけだと 、相手も心証が悪いですし、何より何故無理かがわからないと、他のフリーや制作会社さんが、同じような目に遭うわけです。

一ヶ月ほど前になりますが、TLでも絡んでるとっきーはるかなさんのエントリが話題になりました。
極端に低い単価や無料で仕事をしてはいけない単純な理由|DESIGN Oil BLOG
ぶっちゃけWEBサイトっておいくらなの?って話 | Hal-Cana
はてブ爆釣で、今みたら両方600users越えしてまして、正直微妙な感じがしました。
というのも、とっきーさんのは格安案件・友達案件への提言なのでまだわかるのですが、はるかなさんのはふつーに料金公開しただけです。
別にはるかなさんをdisるわけじゃないんですが※、

料金公開しただけでなんで600usersもいくんだよ!!!!ヽ(`Д´)ノ
だったらうちのサイトの料金表のページ何ブクマいくんだよ!!!!

ちなみに

個人的にお付き合いの多い某社などは、公式サイトに料金表も掲載されていて、とても良心的です。ほんとありがたいです。

うちです、ええ。はるかなさん、いつもお世話になっております。またおねしゃす。

えーと話が横にそれすぎてるんですが、これって、ようは如何にweb業界の相場が不鮮明かってことなんじゃないでしょうか。
もちろんオーダーメイドの世界です。鯖をどーするか、CMSが入るかどーか、その他諸々、仕様によって全然かわってくるでしょう。お客さんだってわからないし、僕だってたとえばjsでイチからあれこれ作ってもらった場合の相場とか、ぜんっぜんわかりません。

ブコメでraf00氏の指摘にあるように、

30万レベル・100万レベル・500万レベルが感覚的に理解できるようなサンプルをいつでも見せられるようにしておくべきだよなぁ…って思った。

というざっくりとしたプランを作って相場を理解してもらう努力も、web業界側に必要なんじゃないでしょうか。
いろんな会社さん見てても、料金公開してない=価格感がわからない会社はわりと多いようです。
リスクとしては「なんでアレが30万でうちが50万なんだ!」という面倒なクレームが出て来るかもしれません。特にお客さんはCMSやらシステム的な部分を考慮せずに、表に出てる部分だけで価格を判断しがちなので、「え、これで50万!?」となりそーなもんですが、それは今まで断り方で説明しているように、何にどれくらい工数や費用が発生するかをきちんと説明して理解してもらう作業をすれば、防げるのではないでしょうか(いささか理想論かもしれませんが)。

何故その予算では請けられないのか。
何故その納期は無理なのか。
何故その値段なのか。

僕らには当たり前でもお客さんにはわからないんです。
(ちったぁあいみつとれよとか思いますが、うちがその最初の業者かもしれませんし)
「なんでこんな当たり前のこと説明しなきゃいけねぇんだよ」と、面倒でも、誠実に説明することが、発注に結びつかないまでも、お互い気持ちよく納得するための第一歩ではないでしょうか。

※disるなら別件でいくらでもdisります。はるかなさんのばーかばーかうんこー!!!

追記:おすすめの本をw

契約時のトラブル回避のために勉強を。あるあるな事例ばかりで、具体的なのですごいわかりやすいです!必見!

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フリーランス向け嫌な仕事の断り方・交渉の仕方」に10件のコメントがあります

  1. 同意で頷きすぎてライブ会場のヘッドバンギングみたいになりました 笑!
    そしてこちらも差し込み仕事に「ちょうど時間あるから」…と特急料金じゃないものと思いがちだけど、これはお客様から見てもおかしな理論ですね。時は金なり全て平等でございます。

    心身を痛めたり歯を割ったりする人多発のクリエイティブ業界、解脱して悟りが開かそうと思いながら今日も理不尽な川を流れたいです。南無。

  2. 今時FacebookやTwitterでの仕事のやりとりもあるのであれですが。
    仕事以外の話はスルーか、「今立て込んでるので」とシャットアウトするか、最悪ブロックですかねぇ。。。( ;´Д`)

  3. 依頼者が気持ち悪い・ウザイ場合の対処も教えて欲しいです。
    個人からの依頼で、仕事の催促を仕事用メールではなくプライベート寄りで使っているSNSでしてきたりするような、ストーカー気質のいわゆるキモくてウザい人がたまにいます。
    依頼を受けてくれる=自分を受け入れてくれると勘違いして、友達気取りで馴れ馴れしい話をしてきたりします。
    会社なら別の担当に変わったり変えたり出来るのですが、個人の相手は非常に疲れます。
    仕事の依頼というよりは、自分の相手をして欲しいだけのかまって依頼者などもいて、まるでホステスにでもなったように興味の無いくだらない話を受け流しています。

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