絶望の次にくるもの。——コロナ雑感2

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7月はあっと言う間だった。連日増え続ける東京都の感染者数に、一種のコロナハイめいたものがあったように思える。
6月末から50人程度と、じわじわと増えていき、7月9日に一気に224人と、それまで超えなかった200人を軽く突破、以降、100人を超えない日はない。「検査数が増えた」というが、それでも世界各国では最下位に近い方で、4月はもちろん、今でも圧倒的に検査数が足りない。

7月28日の東大先端科学技術研究センター 児玉龍彦名誉教授によると、「今、日本は(検査数が)世界で、人口あたり158位から159位、バングラデシュとかカメルーンに抜かれて、世界の最貧国のグループに入ってますからめちゃくちゃ少ない」そうだ。
この「今」というのが厳密にいつを指しているのかはわからないが、おそらく遅くとも6月末だろう。

「全国の繁華街でエピセンター化」 東大名誉教授が指摘|TBS NEWS

死者数が少ないだけで、日本は「コロナ対策最貧国」と言っていいだろう。話にならない。

5月中旬に一桁まで行ったのが遠い昔のようだ。せいぜい20人程度で前後して、低空飛行を続けるのだろうかとなんとなく想像していたが、あまりにも楽観的な予想だった。秋冬の第2波に備えろといわれていたが、暑くなってマスクを外す人が増え、速けりゃ7月頃には増えるのではとは「最悪の事態」を考えていたが、ここまで広がるとは考えてもいなかった。
最悪を通り越している。東京で300人超、そして全国では一日に1000人以上の新規感染者。
二日連続の1000人超を目の当たりにし、ようやく絶望できた。

ワクチンができるのできないのと喧しい。
7月23日:コロナワクチン、年内の実用化は無理 WHO幹部が明言 – ロイター
7月30日:英国の新型コロナワクチン、第I/II相試験で有望な結果/Lancet|医師向け医療ニュースはケアネット

オリンピックは当然無理で、少なくとも2、3年は世界的にどうにもならないだろうとは思っていたが、その一方で「まだなんとかなるんじゃないか、また今までの生活に戻れるんじゃないか」というわずかな希望を捨てきれなかった。

しかし少なくとも国内を見る限り、10万円給付の件もそうだが、GoToキャンペーンの迷走ぶり・プランBのなさを見ていると、無理だ。

Go to キャンペーン大混乱について – Chikirinの日記

この理屈は非常にわかる。が、この説明を政府はしない。仕事でホテルグループの客がいるので、契約が切られるのではないかとヒリヒリしている。担当の心中も想像を絶する。あまりにも、無策、無能、そしてなによりリスクコミュニケーションが致命的に(そう、文字どおり致命的に)できていない。

「タカイキキカンヲモッテ」「チュウシシテイク」。
反省だけなら猿でもできる、危機感だけなら犬でも持てる。
6月7月で何かまともな対策をしたか。GoToに至っては、行き当たりばったりもいい所で、何もしない無能の方がマシだ。

ABE or DIE。

安倍を下ろすか、コロナで死ぬか。
個々人でできることなんてタカがしれていて、国は、行政は、法に基づいて仕組を作り、法に基づいて強制力を働かせて、国民を感染から守る義務がある。しかし野党の要求に応じず、この非常時にも関わらず国会さえ開かない。

リモートワークができる業種・職種であれば、いくらリモートをしたくても、会社が許可しなければできない。会社が許可しやすいようなメリットを作るのが、今の政府の重要な仕事のひとつだろう。

元々在宅で仕事をしていたので、外の感覚はわかりづらかったが、緊急事態宣言以降、より家から出なくなったので、ますます世の中の危機感が掴みづらくなった。増加する感染者と、世間の温度感と、政権の動きがどうにもチグハグで、ずっと斜めに傾いた道を歩かされているような奇妙な感覚がある。

コロナだけでなく、降ったりやんだりと不安定で、そしてまた冠水を引き起こした梅雨。
今年で世界が終わる、少なくとも日本が終わるといわれても、納得してしまう、どうにもならなさ。

「絶望する=コロナがある世界で生きる覚悟をしなければならない」とは思っていたが、絶望した所で、その先に向かうべき場所が何処なのか、それがまだ見つからない。

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